東京都中部精神保健福祉センター主催の
「思春期・青年期家族講座」でお話させていただきました。
今年の夏にも開催された講座で、今回で2回目になります。
当日の講座前の打合せで、
参加者のお子さんの年齢が20~40代と比較的高齢と聞き、
ちょっと驚きました。
また、家から出られないというよりも
エネルギーがあって問題行動を起こす人が多いとのこと。
わが家の子どもたちは家から出られないタイプなので
私の話で参考になるのか、心配になってしまいましたが
ご担当者から
「子どもとの関わり方に悩みを抱えている人が多い」
と伺い、その辺りを中心にお話をしました。
自分が経験してきたことや
いろいろなご相談を伺ってきたことを振り返ると
子どもの気持ちを想像しながら関わることや
子どもの問題と保護者の気持ちを切り分けること、
また、保護者が考え方や対応を変えることで
子どもの気持ちが落ち着くことなどが大切なのかな、と思います。
発達途上の子どもの場合、
問題行動が、ホルモンバランスの乱れや脳の未発達などに
関わっていることも考えられるのですが
成人している場合は、ある程度身体も脳も出来上がっているので
なかなか難しい面があるのかもしれません。
その意味でも、できるだけ早い段階で
子どもとの信頼関係を築いておくことはとても大切だと思います。
ただ、年齢が高くても
不安定な子どもの気持ちを安定させる努力をすることは必要だと思います。
基本的には家庭を安心できる場所にすることで
子どもの気持ちは安定してくるものだと思います。
家庭という存在が、
何があっても自分を受け入れてくれる場所なら
外で嫌なことやつらいことがあっても
耐えられるのではないかと思うのです。
それは、大人も子どもも同じだ思います。
もちろん、個別にはそれだけでは済まないこともありますが
家庭を子どもの安全基地にすることが
まずは、基本なのではないかと改めて思いました。
NEW!
「ミモザの花~子どもの不登校を考える会」の
下記、講演会イベントを開催しました。
「不登校の子どもの高校進学
~学校に行きづらい子どもの進路について考える」
日時 : 10月17日(土) 9時45分~12時15分
会場 : 阿佐谷地域区民センター
講演 : 元定時制高校教員 多賀 哲弥先生
参加者は関係者等含めて40名でした。
まず、代表からご挨拶。
・不登校の進路は最近はやりの「広域性通信制高校」だけではない。
・杉並区から通いやすいチャレンジスクール、定時制高校について
・私立中高一貫校の中学での不登校については、学校によって対応が異なるのでよく相談してほしい。
・学校を選ぶ際には、実際に子どもも学校に連れていき、雰囲気を感じてもらうとよい。
・子どもが「高校へ行かない」と言ったときの保護者の対応について
……など、簡単にお話させていただきました。
それから、元定時制高校教員の多賀 哲弥先生のご講演となりました。
多賀先生は、都立夜間定時制高校に勤務したあと
都立全日制農業高校に勤め、
退職後はひきこもり若者支援「フリースペース」の指導員
をされていたというご経歴をお持ちです。
・高校で人生が決まるわけではない
・農業、商業、工業など、専門高校は、生徒の満足度が高いので、不登校の子の進路としてすすめられる
・都立三部制高校(チャレンジスクール、昼夜間定時制高校)
の受験の実際について
・都立夜間定時制高校のメリット
(少人数なのでアットホームな雰囲気、異年齢生徒との交流、年齢が違いすぎるのでいじめが起きないなど)
・通信制高校について
・勉強は心配ない。都立高校の場合、定員に達していない場合は入学することができる。
・学校見学は、イベントの日ではなく普通の日に行ってみるとよい(朝起きて、その学校の生徒と同じように登校すると学校の雰囲気がわかる)
・中3になると、子どもは追い詰められた気持ちになっているので、情報だけはそっと与えてあげるとよい。
多くの実例をあげて、具体的にお話いただき
今、進路に悩む方にはとても参考になったと思います。
よいお話ばかりで、多賀先生にいらしていただいて
本当によかった! と、思いました。
続いて、不登校経験者3名に登壇してもらい、
参加者からの質問に答えてもらいました。
四年制大学、通信制大学、専門学校に通う経験者です。
私たちが主宰している不登校の子どもの居場所
「ミモザルーム」にも協力してくれている子たちです。
チャレンジスクールの実際、
不登校のとき何をして過ごしていたか
高校を決めるときどのような状況だったか……など、
3人3様に経験を話してくれました。
* * * * *
後半は、多賀先生、フリースクールの先生と中学の先生、
チャレンジスクール経験者、
私立通信制高校経験者の
4グループに分かれての懇談会。
多賀先生
アドバイザーの
フリースクール代表 大橋 勲先生(左)
公立中学不登校支援教員 小泉 亘央 先生(右)
どのグループも熱心に先生や経験者の話に耳を傾けていました。
今回は、子どもの進路を真剣に考えている
参加者の皆さんの気持ちがひしひしと伝わってくる雰囲気がありました。
アンケートでは
「多賀先生の話を聞いて安心することができた」
「こんなに具体的な情報が得られる相談会は初めて」
「経験者の話がとても参考になった」
など、前向きなコメントがたくさん見られました。
引き続き、不登校に悩むみなさんの
お役に立てるよう、活動を続けたいと思います。
学校に行っていない子どもたちは、なんとなく居心地の悪い気分で過ごしているもの。
特にすることがなくて、ゲームをしたり漫画を読んだり動画を見たりして、終日過ごしている子どもたちも多いのではないかと思います。
でも、本当は、子どもたちにも
「得意なこと」「好きなこと」「やりたいこと」
があると思うのです。
不登校生活を、後ろめたい気持ちで過ごすのではなく、できるだけ充実して過ごしてほしいと思うのです。
わたしは、学校に行っていない子どもたちの才能をそのまま埋もれさせておくのは、本当にもったいないことだと思っています。
充実した不登校ライフを送ることで、社会生活に戻ったとき、より自分に自信を持って暮らしていければこれほど素晴らしいことはありません。
不登校ライフを充実させるためのお手伝いができる方、よいアイディアをお持ちの方がいらしたら、「お問い合わせ」ページなどからぜひご連絡ください。
例えば……
・音楽好きな子に向けた楽器の講習会
・理科好きの子に向けた実験教室
・サッカー好きな子に向けたサッカー同好会
・アニメ好きな子を集めたオフ会
……
などなど。あなたの得意なことで、不登校の子どもたちをぜひ応援してあげてください。